雲取山(6回目)
GWの雲取山は4回目ですが,初めて泊った山小屋の建て替えを知っての惜別登山となりました。2つのバリエーション・ルートもかねてからのテーマでした。
@期間 4/29〜30(山中1泊2日)
A同行者 M君
Bアプローチ 行き:JR青梅線・奥多摩駅より日原鍾乳洞バス停までタクシー

帰り:丹波よりバスで奥多摩駅へ

Cルート 第1日:日原鍾乳洞バス停−唐松林道分岐−富田新道分岐−(唐松林道)−ブナ坂−小雲取山−(巻き道)−雲取山荘[泊]

第2日:雲取山荘−雲取山頂−三条ダルミ−三条の湯−サオラ峠−丹波(下山後,丹波に宿泊)

(最高点:雲取山頂・標高2017m,難易度:☆☆☆★★)

D天候 第1日:曇のち晴れ

第2日:快晴

E所要時間 第1日:歩行時間約5時間半,休憩時間約1時間半

第2日:歩行時間約6時間,休憩時間約3時間半

Fポイント ・日原川沿いの6.5kmの林道区間は相変わらず退屈でしたが,咲き乱れる山吹の花と渓谷を彩る新緑に心が紛れました。

・唐松林道は,深い谷に落ち込む斜面にとり付けられた沢音に抱かれる道。富田新道分岐から10分ほど歩いたところで,高さ20mほどの滝が木の間越しに見下ろせます。(足元にはくれぐれもご注意)

・左岸に沿って林道が続きます。道幅狭く桟橋が続く難所を抜ければやがて川面が近づき,秘境の様相を呈してきました。

・沢を渡る橋のたもとで休憩をとってからは,ブナ坂へ向けての急登に挑みます。やがて三ツドッケ方面の展望が利く谷間に出ます。斜面には太い幹のブナが見事な林相をなし,新芽が真っ赤に燃えるようでした。道がカラマツ林に変わればすぐにブナ坂に到着します。

・小雲取山から巻き道を辿ると,降ったばかりの雪が認められました。歩き始めから寒かったのですが,山の上はやはり雪が降っていたのでした。

・雲取山荘も6度目。おやじさんは相変わらずです。小屋のストーブの傍で暖まりながらお酒を燗にして飲んでいたら,いきなり配膳を手伝わされました。思わず苦笑。同行のM君は,見てるだけでなんもせんかったなあ。

・食後もストーブの周りで熱燗を口にしながらおやじさんの話を聞きました。昭和20年からの山小屋を建て替えることについて,「みんな家を建て替えて喜んでいるじゃないか」。名残惜しいのは登山者だけ。土台が弱くて維持費がかさむのが何よりの理由だそうです。

・翌朝,強烈な冷え込みです。なんと,小屋の寒暖計は-7℃を指していました。

・山頂は抜けるような快晴。雪を抱く富士山と南アルプスがこれまでにないくらい近くに見えました。しかも,和名倉山の右奥に北アルプスが,北の樹間からは日光連山が見渡せました。

・三条の湯へ下る尾根道に伐採地が出現していました。ここからは三ツ山と飛竜山がよく見渡せました。

・三条の湯からサオラ峠へは水平に近いトラバース道が続きます。後山川に注ぐ沢を次々に渡ります。ゴンゲン谷を渡る付近は桟橋が続き緊張を強いられます。静寂の中,沢音がいつまでも響いていました。

・ワサビ田の御岳沢を越せば,やや急な登りとなります。やがて雲取山と石尾根縦走路が葉を落とした木の間越しに見渡せるようになりました。ここはブナの大木が多く,やはり新芽が燃えるようでした。ここまで来ればサオラ峠は近いです。

・サオラ峠はカラマツ林の中。葉を落とした木々の向こうには,雲取山頂から見たときよりも大きな大菩薩連嶺が聳えていました。涼風の中,山行のラストステージを感じていました。

・サオラ峠からは深い谷底の丹波へ向けてジグザグの急降下。道幅も狭く落ち葉が積もってこの上なく歩きにくかったです。(M君はかなり膝にきていた)

・下りついた丹波はひなびた山村で,疲れた身体を癒す優しさを感じました。

・集落の東に丹波山温泉があります。アルカリ質の硫黄泉で筋肉痛や関節痛,捻挫に効くとのこと。掘削されて間もないため現在は仮設の浴場ですが,そのうち本格的にオープンすることでしょう。

G総括 ・唐松林道は4年前から一度は通ってみたいと思っていました。深い渓谷は新緑にはまだ早かったですが,誰にも出会わず,秘境の様相をも持つ瑞々しさあふれるコースは期待通りでした。

・三条の湯からサオラ峠までの道も静かな山旅が楽しめます。丹波で一泊して疲れを癒すのもいいもんです。ただし,サオラ峠からの下りは相当きつい。

・寒の戻りは強烈でしたが,山頂からの景色は澄み渡って,雲取登山としては最高でした。昨秋の八ヶ岳に匹敵するほどでした。

・唐松林道,三条の湯から丹波へのコースは,新井信太郎編「雲取山の歩き方」(けやき出版)を読んで決めました。雲取山に関するコースのことなら,最も詳しいです。

H気付事項 ・唐松林道を下りにとる場合,急降下で膝に負荷がかかった状態で狭いトラバース道を通過するため,足の運びをいっそう慎重にする必要があります。

・雲取山東面の巻き道は利用価値が極めて高いのですが,もう少し時期が早ければ凍結箇所が多く注意する必要がありそうです。

・丹波から奥多摩駅へ行くバスは1日3本で,平日,土曜日,日曜&休日で異なります。基本的にカレンダー通りです。昼間の便は平日13:35,土曜は13:25,日休は10:21と12:02です(H11.5現在)。食堂は次の中宿バス停付近に1軒ありますが,一人で切り盛りしているので時間に余裕を見るべし。

 

唐松谷の清流

雲取山荘のおやじさんと

残雪の富士を望む

木の間越しに浅間山と両神山

飛竜山の向こうに連なる残雪の南アルプス連峰
(甲斐駒より聖岳まで)

 


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