好きな山の本

おぼえ書きついでに、気に入った山の本を紹介します。文学作品(小説)というよりは、案内書やエッセイについてです。

日本百名山(深田久弥著)
ブナの山旅(坪田和人著)
雲取山のてっぺんから(新井信太郎著)
雲取山の歩き方(新井信太郎編)
奥多摩・秩父 100の山と峠(津波克明著)
静岡の百山(静岡百山研究会編)
ブナの森から都会が見える(西澤信雄著)

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日本百名山(深田久弥著)

言わずと知れた日本人の山屋のバイブル的存在です。とはいえ、百名山ブームと言われている中で、この本を読んだ人は何割くらいいるのでしょうか?私は百名山と言われる山を登ったあとには、必ずこの本を読み返します。自分がその山に対して感じたことがそのまま記述されていたときには嬉しい気持ちになるのです。例えば、「雲取山」の中に、「無神経なくらい膨大な和名倉山が・・・」とあるのは、我が意を得たりの思いです。「丹沢」では、檜洞丸の鬱蒼たる様子が表現されていますが、今の状態をご覧になったらさぞお嘆きかと思ったりします。また、予め読んだ記憶をお伴に登ることもありますが、例えば「五竜岳」の堂々たる風格も、実際に見て惚れ惚れするほどでした。登ったことのない山についても、「巻機山」の「割引岳」の言われや、「悪沢岳」の命名、「光岳」のハイマツ南限の記述など、興味深いものがあります。
この本は、ガイドブックとしての役割はほとんど果たしませんが、百名山に選ばれた個々の山について、その良さを認識するための本として貴重な存在でありつづけると思います。私が知りたいのは、「百名山を幾つ登ったか」ではなくて、「その山にどんな良さがあったのか」ということです。山の良さを知ったら、1回限りの登頂で満足することなどあり得ないと思うのですが・・・

ブナの山旅(坪田和人著)

ブナ好きが昂じてきたのは2002年の6月、八甲田の蔦の森を歩いて以来のことです。それ以来、ブナ林を絡めた山行を計画することが多くなりました。そんな中でこの本を見つけたのです。有名なのは白神山地ですが、ほかにも数多くのブナの森の存在を知りました。そして、いつしか行きたいと思うようになりました。とはいえ、エリアが広いので、「行けるところから行く」というスタンスになっています。
正直、ブナ林に点数をつけるのは頂けないかな、と思っています。優劣の順位は季節や天候に左右されるので。私が歩いた印象と優劣の順位が異なる例も多いのです。けれども、「ここに記載されているブナ林なら期待を裏切らない」ということだけは間違いないです。
私の登山スタイルは、電車、バスの公共交通機関を使うことが主です。ここに紹介されている山旅も大部分はそのようなスタイルをとっているので、個人的にはガイドブックとしての位置付けも高いです。
とはいえ、日本のブナ林がこの本ですべて紹介しつくされているわけではないようです。この本を参考にしつつも、自分にとっての「ブナの山旅」を書けたらと思う今日この頃です。

雲取山のてっぺんから(新井信太郎著)

雲取山荘のご主人・新井信太郎さんによる写真とエッセイです。書かれているのは「ランプの小屋」だった旧山荘の頃のことが中心ですが、自然に対する深い愛情に満ちています。写真と文章は季節感に満ちています。これを読むと、平日に山荘に泊まったときに、10人ほどの登山者を相手に聞かせてくれた話を思い出します。曰く、
「鹿は大往生しない。転落するなどして命絶える」「雪深い冬は鹿は尾根を越せない」「熊はいるけどメインの登山道には現われない」
などです。花や動物に対する優しさにみちあふれています。また、山荘が多くの人に支えられていることもよくわかります。

雲取山の歩き方(新井信太郎編)

雲取山荘に集う人たちの手で書かれたガイドブック的な本。雲取山に至るバリエーションルートをその魅力を余すことなく記述しています。雲取山への登路は、登山地図において実線で描かれているコースはすべて安全で、個々に味わいを持っているので、この本を読んだら実際に歩かれることをすすめます。また、長沢背稜を経由して辿れる川苔山などの紹介もあって、「すべての道は雲取山に通ず」を意識させられる構成になっています。

奥多摩・秩父 100の山と峠(津波克明著)

著者の経歴を見て驚いたのは出身が沖縄であったこと。色眼鏡はよくないとわかっているけど、ついつい、そんなこともあるんだなぁと思ってしまいました。しかし、内容は奥武蔵から大菩薩の広い範囲を網羅して、自然や郷土史に関する知己に富んでいます。生活や風習との関わりについて教えられることが多いです。
この本をいつ読むかといえば、例えば忙しくて山に登れないような週末のふっとした息抜きの時間などです。例えば浅間尾根の山行なども、以前は見向きもしなかったのに、この本がきっかけとなって実現したのです。この本を日頃読むことによって、山選びの「引き出し」が自然と増えたのかな、と実感しています。

静岡の百山(静岡百山研究会編)

2002年頃から、静岡県の主に安倍奥を中心としたエリアの魅力に取りつかれて、頻繁に登るようになりました。きっかけは何だったかわかりませんが、なんとなく物色していてインターネット情報をたよりに登ったのだと思います。白銀の南アルプス主峰ももちろんのことですが、深南部や安倍奥の黒々とした峰々にそそられました。
この本を購入したのは、2003年11月に安倍奥の青笹山に登った帰り道で立ち寄った「真富士の里」でのこと。思わず手にとって、パラパラと眺めたところでレジに直行しました。ガイドブックとしての性格は皆無に近いので、何らかのガイドブックと組み合わせて読むことをお奨めしますが、歴史に関する記述が多いのが魅力です。
静岡県といえば、長い海岸線が特徴なわけですが、山国としてのもう一つの特徴を網羅しようとする編集姿勢に好感が持てました。低山でもそれが信仰の対象であることに重きを置いて選定しているのです。

ブナの森から都会が見える(西澤信雄著)

「朝日鉱泉ナチュラリストの家」の管理人である著者が綴った、瑞々しさにあふれたエッセイです。氏は実は滋賀県出身で、東京でサラリーマンをされていたのですが、1975年に山形県朝日町に移ってこられて、朝日鉱泉ナチュラリストの家を開かれたとのことです。地元の人々から学びながら、一方で釣り客や登山客を迎え続けられている様子がリアルに書かれています。
大自然の中では人間は謙虚でいなければならないことを教えてくれます。そして、その考えは都会の生活スタイルや人間関係への警鐘へとつながっています。
(どうもうまく表現できないので、あとで修正します・・・)

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