花紀行−2023年4月
宮城県大崎市田尻
(加護坊山、全山満開の「二千本桜」)

宮城県大崎市は東西に長く、東側に位置する田尻地区には大崎平野から緩く頭をもたげた標高224mの加護坊山がある。この山に桜が植樹されたのは今から40年ほど前からのことだそうだが、その数や二千本、今や桜の名所となっている。2013年の春に一度来ているが、このときは花冷えで木々の間で満開の状態が揃わず、葉が出ている木も多くて感動は今ひとつであった。今年は観測史上最速の開花宣言で、満開もあっという間にやってきた。余りにも早いタイミングで行きたい場所を考える間もなく、かと言ってこのまま花見をせずに終わるのはもったいないと、車で行ける加護坊山を再訪することにしたのであった。

昼下がり、 古川から東へ車を走らせて加護坊山を目指す。新幹線の高架をくぐったあたりから遥か東に見えるなだらかな丘陵地(「篦岳丘陵」というそうだが)のてっぺんが薄いピンクに染まっているのが目に止まった。丘陵地が近づいてくると、下山して来る車が多く、山頂の花見を愉しんだと思われる。車道の周りに桜の木が増えてきて、まさに満開の桜の中を山道で登って行く。対向車が曲がりくねった道にもかかわらず次々とスピードを出して下山してくる。やがて満開の桜がトンネルのように続き足元のスイセンの花も見頃を迎えている中、思ったよりも早く山頂に出て駐車場に滑り込んだ。

車を降りれば、この日は北風が吹き付けて寒い寒い。芝生に覆われた山頂へと登って行けば、遮るもののない場所は一層強い風に晒されて、1,2分で退散する。それでも、開放感に満ちた場所から全山満開の桜と遠く大崎平野から仙台にかけての眺望が欲しいままだ。芝生の斜面は家族連れなどが思い思いに腰にを下ろしたり、犬を連れて散歩していたり、子供の一団が追いかけっこしていたり、と地元の人たちの憩いの場となっていることが見て取れた。車道を過ぎれば桜の木立の中を行く小径に入る。満開の桜を通して陽射しが降り注ぎ、天空を仰げば透き通ったような花びらと青空を見ることが出来た。

最後にレストハウスを抜けてベランダに出れば、目の前に満開の桜。丁度傾きかけた陽射しに桜の花が輝き、南側に広がる大崎平野から仙台方面の遠景は、屋根が光を反射させていた。素晴らしい景色の数々を最後まで堪能した。一本桜の巨木、川岸に咲く並木、寺社や城跡、武家屋敷などの街並み、それぞれに趣きがあるが、自然の地形の起伏に咲く圧倒的な数の桜もいいものだ。




開放感に満ちた山頂



眼下に桜と遠く大崎平野



見事な桜の大木も



山頂一帯は憩いの場



桜の下を巡る



青空と桜を見上げる



山頂公園と桜



逆光の桜と遠景

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