花紀行−2022年4月
岩手県奥州市・北上市
(水沢公園と北上展勝地)

長い冬が去ったあとに一気にやってくる東北の春。特に、桜の咲く時季は百花繚乱の色彩美に包まれて、春の到来の喜びを心から実感できる。しかし、過去2年間はそんな喜びを打ち消すようなコロナ禍で、桜の花を心から愛でることのできない「悲しい春」を過ごしていた。東北に来て11年が経ち、ここ数年は妻と「今年が最後の春かもしれない」と話しながら過ごしていた。こうして東北で春を迎えることができたからには、桜の花をしっかりと見て悔いを残さないようにしたい。

桜の花を見に行く条件、それは「天気が良いこと」、「満開もしくは満開に近いこと」、そして「早めに現地に到着できること」。この3点目は要するに遠くになればなるほど朝早く出発しなければならないことを意味する。言い換えれば、「行きたい所」と「行ける所」との妥協点ということにもなる。
さて、東北の桜の名所として「北上展勝地」が残っていた。2014年に訪れたことがあるのだがこのときは既に葉桜で、宿題となっていた場所である。ネットのリアルタイム情報をもとに水沢公園から北上展勝地へと行くことに決めた。

水沢公園は比較的規模の小さな「市民のための公園」であったが、風格ある桜の古木が林立しており、ネット情報通りの満開を迎えていた。それほどメジャーな景勝地でないためか、人も少な目であった。桜の種類もソメイヨシノが多いものの、山桜や枝垂れ桜、花の色も濃淡あって楽しめた。残雪の焼石連峰を望むことができたが、桜と残雪の峰の組み合わせの写真を撮れるロケーションを見つけることができなかったのは惜しい。

続けて、北上展勝地に向かう。こちらは、昼近くなってきて駐車場の大渋滞につかまりあきらめて駅前に車を停めて、シャトルバスで向かった。桜並木は満開というよりは7部咲きといったところだったがそれでも見事であった。まずは陣ヶ丘に登って桜並木を俯瞰する。桜並木の奥は和賀山塊から岩手山にかけての峰々が残雪を纏って聳えていた。岩手山の手前に別の山がシルエットのように浮かんでいたが、紫波三山と思われる。

陣ヶ丘から下りて、桜並木を歩く。右側は芝生の広場、真ん中は桜のトンネルの中、左側は北上川を眺めるサイクリングロードで、それぞれから眺める満開近い桜並木はいずれも素晴らしい風景であった。宮城県の「白石川堤一目千本桜」と比べて桜の木の密集具合では勝っているように感じた。やがて珊瑚橋が見えてくれば桜並木は終わり近く、土手に上がってから珊瑚橋を渡った。雪解け水を集めて川幅一杯に広がる流れを渡り対岸に桜並木を見ながら、北上駅まで歩いた。




満開の桜が出迎える
水沢公園



1本1本が見事な
咲きっぷり



枝垂れ桜も立派



風格のある古木



北上展勝地の展望
(陣ヶ丘からの全景)



遠く岩手山を望む
(手前は紫波三山か)



桜並木を芝生の広場
側から写す



満開間近の桜の
トンネルを行く



北上川の側から写す
(奥に珊瑚橋が見える)



珊瑚橋を渡って対岸から
桜並木を見る

   

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