花紀行−2016年4月
宮城県大河原町〜柴田町
(白石川堤一目千本桜と5年前の記憶)

「一目千本桜」の名前は吉野山から取ったものであろうか。それにしても、90年ほど前にこの情景を夢見てソメイヨシノを植樹した人は偉人であり、地域の恩人といってもいいのだろう。この桜を見たさに、ほら、満員の人々を乗せて臨時列車が走っている。実は、前年にも訪れているが、車でアプローチをしたものだから大変な目にあった。ガッツリ渋滞にはまって身動きがとれず、土手に立った頃には日は大きく傾いていたのだった。同僚に話したらどうやら電車で行くのが常識であったようだ。ということで、今年は岩沼駅近くの駐車場に車を停めて、JR線で大河原までやってきた。

川の両岸に咲く桜はまさに満開を迎えていた。当然のことながら大勢の人でごった返していて、写真を撮るにしても人が多すぎてなかなかシャッターチャンスがつかめない。そして、樹齢90年のソメイヨシノの老木群は1本1本が実に風格を漂わせる太い幹と枝を見せていた。土手を下りて川岸に立つと、開放的な風景が広がる。適度に蛇行する川の両岸に満開の桜並木が続く。南西の方角には残雪の蔵王連峰が見えている。空はこの日は黄砂の影響からか、黄色っぽい膜が張ったようになっている。蔵王連峰もかすみがちであったのはちょっと残念。撮影ポイントの韮神堰を過ぎて歩き続け、やがて線路が寄り添うようになると船岡駅に着いた。3.5kmの気持ちの良い散策路であった。

さて、今から5年前のことだ。東北への異動の内示が出ていた中で東日本大震災が発生した。引っ越し先も決まらずにとりあえず身一つで三重県から赴任した。4月も中旬を過ぎてようやく東北新幹線が福島まで開通した。引っ越し先が決まったため、一旦三重県に戻るために仙台から福島まで東北本線を使った。まだまだ余震が続き暗い雰囲気も漂う中、ビジネスマンも数多く乗る在来線の車窓からその光景が飛び込んできた。川岸に立つ満開の桜並木は、その列車のスピードに合わせて絵巻物のように目の前に繰り広げられた。新幹線であればトンネルで通過する場所、曇り空だったと記憶しているが、前向きな気持ちを呼び起こしてくれる景色であった。



土手の並木道を歩き始める



対岸の並木と遠く蔵王連峰



老木の1ショット



川に沿って続く満開の並木



手前の桜を入れてみる



石の指導標



韮神堰



残雪の蔵王連峰を望む



この方のお蔭で今がある



線路が寄り添う中、船岡駅へ

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