花紀行−2008年4月
愛知県犬山市(犬山祭のからくり山車と犬山城)
犬山祭の存在を知ったのは2008年2月のことであった。三重県伊賀市に住んでいた頃のことで、名古屋に住む友人と犬山城を観光した際にこの祭りの存在を知ったのであった。そして2ヶ月後、桜の時期に合わせて開催されるこのお祭りを見るために再訪した。
当日はまさに満開の桜の中。車山(やま)と呼ばれる名物のからくり山車群が、城下町のメインストリートをゆっくりと通り抜けて行く。狭い路の両側は見物客がぎっしりで、その中を進む高さ8mの車山は電線の下を巧みにくぐり抜けて進む。そして、犬山城の天守閣と満開の桜に彩られた目的地の針綱神社を背景に、華やかな色彩美を持つ車山が聳える姿は絵葉書そのものであった。
針綱神社前の広場に終結した車山、ここからはからくり人形の演舞が披露される。徳川時代の初期1630年代に始まったこのお祭りは、徳川お膝元の地でもあってか財政的にも潤っていたのか、この地の豊かさを象徴しているような意匠と造作が揃っている。そして、からくり人形の動きの数々に拍手が沸き起こる。素早く移動する人形、自在な踊り見せる人形なども印象的だが、極めつけは瞬時に「変身」する人形だろう。このような技術が江戸時代の初期に確立されていたことも驚きである。
からくり人形の披露が終われば、夜の巡行までは「待ち時間」。木曽川の畔から満開の桜越しに見上げる犬山城の天守閣もまた印象的であった。そして日が暮れた後、犬山駅前に終結した車山(やま)は、提灯にびっしりと覆われた幻想的な姿をしていた。
今回は、主役が山車で桜は脇役であったが、お花見の1シーンに加えることにした。15年前のことであったが、大切な思い出のシーンでいつか再訪できれば、と思っている。
電線の下をくぐり抜けて
満開の桜の中を進む車山
車山は三層構造
車山が終結
からくり人形の披露
下層、中層の刺繍も素敵
木曽川の畔に立つ犬山城
満開の桜と天守閣
夜の駅前に終結する車山
2022.1.23. TAKASKE
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